悪魔と夜ふかし
マンデイレイトショーである。
ちょっと悩ましいか。
ホラー映画におけるリアリティの模索は非常に難しいものがある。なぜならお化けや幽霊や悪魔はリアルではないし、突き詰めれば突き詰めるほど、リアリティからは外れる存在だと思うからだ。
悪魔カルトはリアリティの中にいれるけれども、悪魔自体はリアリティの中にいられない。みたいな。
いるためにはきっと姿を見せてはいけないのだろう。そこを模索するのはきっと楽しいかもしれないけど、俺はこの映画で一番好きなところはどこかと言われたら多分悪魔登場シーン。次はコンマ一秒の一瞬を見切った司会。いやだって、ねえ?
この映画は生放送のテレビ番組でなにが起こったのかを追体験するモキュメンタリー方式のホラー映画である。
こんなもんが放送されてたら、テレビ番組バチギレられるだろうと思うが、アメリカの70年代80年代に対する夢と希望と暴走はクレヨンしんちゃんと20世紀少年の「あの頃」ぐらい美しいものだという認識がされているので、これもまあ普通に放送されていたのではないでしょうか。知らんけど。
人気ではあるけれども、一位にはなれないテレビ番組の一手として始めたハロウィーンの心霊特集。
心霊と話せる男に、オカルト否定派、焼け落ちた悪魔カルトからの生存者。
言ってしまえば、夏のホラー特集ぐらいのメンツで始まった生放送で起きた惨劇とは!?
前半のリアリティの追求の仕方はとても良く、なんか変なことが起きてるっぽいぞ? みたいな映像がずっと続く。同時に、悪魔カルトの映像や異常にゲロを吐く心霊と話せる男は、多分その時点で放送事故なので、リアリティで言えば外である。なのに人は受け入れてしまうのである。オカルト否定派の適当な言葉のように。
オカルト否定派の「科学的ではない」という言葉は、なにも説明してないはずなのに説明したことになるのでずるいよね。
悪魔と夜ふかし、なにが面白かったの? と聞かれるとちょっと難しい。面白かったんだけど、どんな面白さかは説明が難しいかもしれない。でもあえて言うなら、『ムー』の編集長がゲストで呼ばれた特番で、マジのグレイがでてきちゃったぐらいの面白さ。
説明が難しい。でも本当にそういう映画。あの人、マジで目の前に宇宙人が現れた場合、どんな反応するんだろう。
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