「スペースプレイヤーズ」

 これ原題は「スペースジャム」で、前作(なんと同じような映画が1996年にもあったらしいですよ。驚きですね)の日本公開時タイトルも「スペースジャム」なんだけど、恐らく「なんか創作キャラがたくさんカメオ登場するってことは『レディ・プレイヤー1』じゃない?」ぐらいの気楽さで「スペースプレイヤーズ」という邦題になった本作。

 実はスペース(宇宙)要素は特になく(前作は宇宙人が襲いかかってくるという宇宙要素があるのでこのタイトルでも間違いはないのだが、今作はワーナーブラザーズの地下にいるスパコンが襲いかかってくるので、宇宙は関係ない)、『スペース』でも『プレイヤー』でもなく、唯一のバスケット要素である『ジャム』を失ってしまったので、一体なにを指しているタイトルなのか一切分からない、それがこの『スペースプレイヤーズ』である。

 めちゃくちゃ単純に言うと、『ルーニー・テューンズのキャラクターたちが、実在のバスケット選手(レブロン・ジェームズ)とバスケをする』映画である。

 ルーニー・テューンズってなに? って人もいるかもしれない。カートゥーン ネットワークで『バックスバニーショー』なる番組を見たことがある人なら見覚えがあるだろう。あの「どったの、先生?」と声をかけてくるウサギや、吃音の豚、アクメ社製の機械でロードランナーを捕獲しようとするコヨーテとか、そういうやつらだ。

 当時見ていた頃と声優も同じで、いわゆるカートゥーンの方が先に見ていた俺にとって、なんだか久々にドラえもんと再会したような、そんな気分になれた。

 声優といえば、敵役の声優が中澤佑二、村上佳菜子、丸山桂里奈なのなんでなんでしょうね。せめてバスケット選手にするべきでは? 中澤佑二が声をあてたキャラは一瞬バスケットボールを足でおさえているので、サッカーでもいいのかもしれない。嘘だろ

 色んなワーナーブラザーズの映画世界をうろちょろしているルーニー・テューンズの姿は、それだけでこの映画を観た価値があるなと思えるほどで、マッドマックスの中を走るロードランナー、マトリックスでアニメ的吹っ飛ばし方で敵をなぎ倒すグラニーは見ていて楽しかった。

 そんな彼らが、自分たちの世界を守るためにバスケで勝負をするんだけど、これは別にバスケである必要性が特になく、そもそもバスケのルールで戦いすらしないので、ここはそこまで面白くはない。「アニメがアニメ的な戦い方でバスケをするシーン」だけ見たら充分なぐらいかな。

 ところでこの映画にはたくさんのワーナーブラザーズキャラがカメオ出演するんだけど(フリント・ストーンとかスクービードゥーとかマスクとかペニーワイズとか)、なんか全体的にちょっと細くてウケるよ。特にキングコングが細い。



 なんかすげえ関係ないんだけど、ディズニーが「現実とアニメを合わせた映画」をつくるときは現実よりになるけど、ワーナーブラザーズが「現実とアニメを合わせた映画」をつくるとアニメ寄りになるのかもしれない。アニメキャラは死なないし、アニメキャラは現実に疲れない。

サメとゾンビと空伏空人

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