『黒帯 KURO-OBI』
空手に先手なし。突いてはいけない。蹴りもいけない。そんな修行を続けていた主人公たちの前に現れる満州国の軍人たち。彼らは道場を押収しに来たようだが、空手を用いて撃退する。
人を殴ることに躊躇せずなんなら撃退した相手を普通にぶっ殺した弟子1。
師範の言いつけを守り、突きも蹴りもしないが倒した相手が普通に自害したので「え、マジで……?」と困惑している弟子2。
師範が寿命で死に、そのどちらかが跡を継ぐことになったが師範から明確な答えを貰っていなかったのでどちらが継ぐべきか分からない。そんなことをしている間に、満州国軍が彼らを師範として迎え入れたいなんて言い出して。という映画。
いやしかし、映画を観ていて知っている俳優が出てくるとびっくりしますね。わあ、大和田伸也だ! と驚いてしまった。映画というのは本来知っている俳優がでてくるのが普通だという意見はあります。そうかもしれない。
ちゃんとした空手有段者を俳優として迎えているので、空手の試合シーンは重く綺麗で、見応えがある。めちゃくちゃ綺麗なカウンターとか、蹴り脚ハサミ殺しとか、山突きを見ることができます。刃牙とかで見たやつだ! とわくわくしながら観れてよかったです。
まあ、物語の方は弟子2を主に進行していくので「殴った方がどう考えても早いんだけど、教え的に殴れないのでなにもできない」と遅々とした展開が目立つ。まあ最終的には乗り込むんだけど、乗り込んでも突けないので普通に負ける。しょうがないので「助けて」が鳴き声のガキが突くことも躊躇ない弟子1を連れてくる。弟子1は突けるのですぐに話が終わります。やはり暴力ですね。
全体的に、弟子1の思想は誰かに伝播しているわけでも、なんならそれが輝くシーンもなくただ負けるだけなので、果たしてその思想は正しいのかどうかも怪しくなってしまっていて、なんかちょっと。というかものすごく、ストーリー自体はかなり行き当たりばったりでしたね。
ところで、空手に先手なし。という言葉は本当にあるらしく、沖縄には石碑が置かれているほどらしい。
果たして本当に空手に先手はないのか。愚地独歩だって「強けりゃいいんだよ」って言ってたじゃん。でも精神修行のものではないのか。殴るすべのどこが精神修行だよ。どちらが正しいのか。それは弟子1、2の最終戦にもつれこむが泥仕合にすることでなあなあにごまかしているので「逃げたな!」って思わず言ってしまった。そもそも師範の言いつけ守ってたやつも最終戦では普通に突くしな! ほら、やっぱ殴らないと話進まないから……
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