でっかくなっちゃった赤い子犬 僕はクリフォード
クリフォード。昔、カートゥーンネットワークとかキッズステーションを見ていた子供ならば懐かしい響きではなかろうか。エドエッドエディとかデクスターズラボとかおくびょうなカーレッジくんとか。そういう響き。
子供の頃に見ていたカートゥーンネットワークのアニメが(正確に言うなら、児童文学作品が原作だけど)実写化されたとならば見に行かざるを得まい。
野良犬が産んだ子犬の中に一匹紛れ込んでいた赤い子犬。なぜこいつだけ赤いのかさっぱり分からないまま母犬と他の子犬は保健所に連れていかれてしまう。彼らの出番はここで終わりなので、どうなったかは知りません。赤い子犬はそのままあからさまに怪しい爺に連れられ、喉が花澤香菜の女の子に手渡される。この爺、なにかと怪しく「子供のキリンか首の長いハイエナか分からない、笑い声が人間っぽい生き物」とかを所有している。なんだあれ。話には関わってこないので分からない。
愛情をかければかけるほど、犬は大きく成長するよ。との言葉を信じて抱いて眠ると次の日には天井に頭をぶつけかねないほどの大きな赤い犬に成長してしまったのである!!
そんなクリフォードを狙うのは、ジョブスに似てると言われたことがあるかもしれない遺伝子操作会社の社長。
この会社、鶏の卵をダチョウサイズにしたり、首がふたつあるヤギをつくりだしたり、性格が最悪の羊を生みだしたりとまあなんか遺伝子操作でなんかやってる会社なのである。「そんなのつくってどうする」と社長も困り顔だったので、悪いのは社員かもしれない。
そんな社長からクリフォードを守るべく、子供たちとカギを鍵穴に差し込んだまま忘れてしまうような無能大人の大騒動が始まる。というやつで、俺はつい一昨日ぐらいに鍵穴に差し込んだまま忘れてしまっていたことがあったので、非常に共感しながら観ていた。
まあなんというか、インターネットの悪い大人が絵本を読んで書いたような話というか、近いのは「ピーターラビット」だと思う。皮肉のひとつは言わないと会話ができない人類が、関係なくただデカくてなぜか赤いだけのキュートで可愛い子犬に振り回されるファミリー映画に仕上がっている。
ペットは人間の所有物であり、飼うことによって人間にメリットが生じる存在である。という思想があからさまに存在しているのもちょっと面白い。いや、ペットは人間の所有物なんですけど。あれです。犬を傷つけたときに発生する罪が「器物損壊罪」であることを知った時の感情ってあるじゃないですか。まあ、そうだけどさあ〜。みたいな。
赤くてデカい犬はもちろん存在するだけで社会的には邪魔です。そんな〜って言われても急に隣の家が象を飼い始めたら困るじゃないですか。それが本来はそんなにデカくない犬なんですから、社会的にはちょっと困る存在ですね。でもそれを認める。それが大事。ちょっとユニークなだけと。そう、分かりますね。多様性ですというテーマが見えて見える今作であるが、多様性の話をした瞬間さっきまで「収容しろ!」「危ないだろ!」って言ってた群衆が途端に主人公の味方になるのはかなりズルいやっちゃな〜となった。でも多様性って皆に引っかかる便利ワードなのでしょうがないかもしれません。
ところで原作のクリフォードは25メートル。多分この映画のクリフォードよりも大きい。もう少し大きくなってもいいんだよ、クリフォード。
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