『アイの歌声を聴かせて』
すっげえ関係ないんだけど、どうして創作上の悪口ニックネーム「○○姫」なんだろうね。悪口なんだし「口軽ブス」でもいいし、なんなら「ブス」でもいいのに。
そんなことを考えてたらアホ顔AIが「サトミはムーンプリンセスに憧れてるけど、お姫さまって呼ばれて幸せ?」って普通に聞いてきそうだなって思いました。あいつマジで聞いてきそう。
最初は興味がなかったんだけど、あとから公開された柔道シーンが俺の中でたいそう話題になったので、観に行った。なんか歌いながら柔道してるのがウケたのだ。
AI技術が浸透している街(多分、そういうものを実験する実験施設的な街なのだろう。そんなことを言っていたような気がする)の高校に転校してきた妙に愛嬌のある馬鹿面の女子。シオン。
彼女の正体はなんと最新鋭のAI搭載のアンドロイド。彼女は五日間、誰にも人間ではないとバレずに生活することができるのかのテストを行っていた。(ちなみに学校にも許可を取っていないのである! 取れ!)
パスワードを口から出して打ち込む搾精病棟スタイルの女であるサトミは、母親のスケジュールを盗み見てその事実を知った。
でもまあ、お母さんの大事な大事な研究だから邪魔しちゃいけないなあ。と思っていたのに、AIの方からなんか近づいてくる。「サトミ、いま幸せ?」って聞いてくる。聞いておきながらなんだけど、幸せの定義づけがされていないのでとりあえず歌をうたいだす。
なにを隠そうこのAI、そのアホ面通り、めちゃくちゃポンコツなのである!
こんなんで五日間秘密を隠し通せるの? と思いながら、自転車のブレーキをカッコ悪いからと外しそうな、緊急停止プログラムの外せる天才機械オタクと、なんでも80点。2位3位と村瀬豪三が聞いたらキレそうなイケメン。その彼女。後にシオンによって性癖が歪み、「シオンの顔写真を柔道練習用のAIアンドロイドに貼るようになる」男と学校生活を送るようになる。
AIアンドロイドに投げられないと気持ちよくなれなくなってしまった男、サンダー。そこが面白すぎてお前の勝ったことがない話、忘れちゃってたよ。
かなりちゃんと整備はしたかもしれないけどかなり胡乱な映画である。なにせAIであるシオンが、ピンチだから焦っているからかガラクタしか出てこないときの劇場版ドラえもんの四次元ポケットぐらい、あるいは、尺の都合上空飛んで移動されては困るので充電の切れが異常にはやいときのタケコプターぐらいポンコツだからだ。
しかしそのポンコツ具合から想像できないほど、シオンは異常なまでに高性能だった。高性能なアホ面ポンコツAIなので、やることがメチャクチャで、プログラムというプログラムにハッキングして、自分の粗相データを削除したり、危機をつくるために「柔道練習用ロボット三太夫」に人間を襲わせたり(ロボット三原則!)、発電施設をショートさせて花火を再現したり、そりゃ怒られても仕方ねえだろ! という暴挙をやってのける。
しかしこのアホ面はアホ面なので、とても愛嬌がある。ゴールデンレトリーバーなのだ。めっちゃでっかいゴールデンレトリーバー。クリフォード!
帰巣本能の赴くままにご主人さまのところまでたどり着いて、従順なまでに尻尾を振り、嬉しいことを隠してない笑みで走ってこっちに来る犬を、誰が邪険に扱えようか。
その間に電信柱を薙ぎ倒し、壁を破壊し、車を押し除け、公共施設を乗っ取り、スカイネットもビックリの軍事力と掌握力を手に入れたとしてもだ。
周りの大人が「危ないから殺処分しよう」と言ってきてもそんなことはできない。だって可愛いんだもん。
人間は自分に尻尾を振ってくるかわいい動物には弱いのだ。それがAIだったとしても。
たまたま学習能力が異常に高くて、無限増殖して自分の判断で削除から逃げることもできて、なんでもハッキングすることができるけど、小学三年生レベルの感性しかない馬鹿面だからこそなんとか成り立っているのかもしれない、そんな胡乱映画。面白かったです。かわいいね。よしよし。
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