『ザ・クロコダイル 人食いワニ襲来』
早速ネタバレなんだけど、ポスターのサメが人を食うのは1シーンしかない。まあ一度食えば充分に「人食いワニ」ではあるんだけど、「ちょっと人を食べちゃったワニ襲来」の方が正しいかもしれない。
経営不振で潰れてしまったワニ牧場に住んでいたクソでかいワニ(なぜデカいかと言えば、デカいからである)が仲間が殺されているところを見て、人間に恨みを感じ、8年間かけて10万ユーロを稼いだ女のバッグを食って逃走! クソでかいワニは危ないからさっさと捕まえなくては!
仲間を殺された恨みで人間を襲ってくるタイプのアニマルパニック映画と言えば『オルカ』。サメなんてもう古いよとジョーズの二年後に公開された『オルカ』が有名だけれども(有名か?)(分からない。少なくとも俺はオルカを思いだした)、
この映画において死亡・あるいは食い殺された人間は「仲間を捌いていた料理人」と「仲間が死ぬ原因になったワニ料理店の店長(すごいデブ)」であり、それ以外の人間は近くにいたとしても実は食っていなくて、そう考えると確かに仲間を殺された恨みで動いているのかもしれない。ワニを飼っていた人間の「あいつらにも情がある」という言説にも、誤りはないのかもしれない。
「あなたたちは分かっていないの! 私とこの子の間には確かな友情が築かれてる。この子は私を襲わない。ね、そうでしょ。わ、わああああああああ!!」という肉を食う畜生に情があるわけないだろ展開で多用されがちな『畜生に情があると思い込んでいる人間と普通に今まで襲ってなかっただけで今回は襲ってきた畜生』ぐらいの情ではなく、ご飯をくれたガキを襲わない程度には、情を感じているようだった(ちなみに『オルカ』のオルカも明らかに人に対しての恨みがにじみ出ていて、陸にいる人間を襲うし、お前を許さないという憎しみの目で人間を見てくるよ)。
それはそれとして、壁を破壊してガキに襲いかかってきたり、今お前明らかに食うつもりだったろ!! ぐらいの出現の仕方をしたりと、人間への情よりも「おおおお俺は動物パニック映画のワニだ!」という意識を優先した行動も目立つ。しょうがないじゃない、人間がトラウマの包丁を持って抵抗してきたんだから……。
動物パニック映画の主役としての役目を果たしつつ(よくよく考えると全然食わないけど、わりと襲いかかってくる)、俺は、あなたが好きでした……。みたいな情の感じる涙を流しながら終えるもの悲しいエンド。それはそれとしてワニの腹の中にある私の8年の結晶10万ユーロ!!!!!!! の女。
10万ユーロの女。不倫されるわ、10万ユーロはワニに食われるわ。情がある割には仕事の都合上人を襲う必要があるワニに度々襲われるわ。ひたすらに不憫だけど、そのおかげでワニに対する憐憫がないのでからっと終われるのがいいですね
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