映画『デビルズ・ダブル -ある影武者の物語-』
こんなポスターだけど、冒頭で平和記念館で上映されているような戦争の資料映像が流れるよ。またポスターに騙された! ポスターなんて信じるな! これに関しては本国もこれらしいから逃げ場がねえぜ!!
イラクのフセイン政権時代、その息子の影武者となったと主張している男の自伝が元となっている史実を元にした(と言い張ることも可能な)真実(かもしれない)話だ。ここまで注釈をいれる必要があるかどうかは分からないけれども、まあ、そういうものだとして楽しもうじゃあないか。
しかし独裁者の息子というのは得てして「酒好き、女好き、権力を笠にやりたい放題」と描かれることが多いね。彼はやりたい放題して父親に折檻されていたので甘やかされているわけではないようだったけれども(戦場の激励に向かわされるのも、死んだらラッキーと思われてんじゃあねえかなって気がするぐらい)。
そんな彼の影武者になってしまった主人公は、彼の行動に顔をしかめ、諫め、許されないと激昂する。それでも息子は「自分の所有物」である「影武者」主人公を絶対に逃がさない。独裁国家の話というよりは、権力を持った男に執拗なまでに愛されてしまった独占愛的BLのような趣すらあるかもしれない。もっとも、そこには愛などありはしないというか、おもちゃを無くしたくない子供の独占欲の方が正しいかもしれないけれども。
最後の方の女の言動が分からない。結局やっていることは一辺倒というか、なにか事件が起きるがすっと終わるなどの部分はなくはないけれども、結構面白かった。
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