映画『マッスル 踊る稲妻』

 先に言っておくと、このポスター。このノリで映画自体は三時間ある。途中にトイレ休憩らしき字幕が入ってくる。それぐらい長い。インド映画はなんというか『人生に訪れた事件のひとつ』を映画にするのではなく『波瀾万丈人生』をそのまま映画にする傾向があるというか、なんつうか長い。あと踊りをストーリーに絡めるのが上手い。上手いけど別に踊る必要はない。

 邦題は『マッスル 踊る稲妻』で原題は『I』である。作中で色んなものを『I』とかけて話をしているんだけれども(香水、己の感情、ウイルス、神さま)、それが『I』である理由がよく分からないので、どちらが良い。という話でもない。

 ところで邦題は結構コメディチックなんだけど(実際、トイレ休憩に入るまでの前半はコメディ色が強い)、内容は醜い姿にされたボディビルダーであるところの主人公の復讐劇だから、まあまあ暗いよ。このポスターなのにね!

 インドでのポスターのノリはこういう感じなので、これは日本が悪い。インド映画で暗いのは観られない。というイメージでもあるのだろうか(この監督の出世作がコメディらしいので、そのイメージもあったのかもしれない)。

 ところでこの映画、酒を飲んだり煙草を吸ったりするたびに下の方に「煙草と酒は体に良くないよ!!!!!!!!」みたいな注意書きが出てくる。インドの文字は読めないので、詳しくは分からないけれども、最近はこういうのを表示するようになったのだろうか。新しめのインド映画を観る必要があるかもしれない。

 復讐相手が主人公を陥れることを仲間内で誓ったときのシガーキスにも、成功して酒盛りをしているときにもこれが表示されるので、なんとも邪魔くさい。あっちは嫌煙嫌酒大変なのかね。前半の主人公が筋肉で無双して周りのボディビルダーたちを全員ねじ伏せることで、結果的にボディビルダー大会を優勝する流れとか、くだらなくも楽しいシーンも多いので、ポスターに惹かれたら観てもいいんじゃあないかな。三時間あるけどな、三時間。トイレ休憩挟もう

サメとゾンビと空伏空人

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