『ネムルバカ』

 実質ガールズバンドクライですよ! ガルクラの二次創作で見るような世界がそこにあるんですよ! みたいな熱意が込められたオタクの感想文をやろうかと思ったんだけどダルいなと思ったし、俺はガルクラがそこまで好きではない(最終回にかけてのぬるま湯が好きじゃない)ので一旦脇に置いて、上映前の予告にディーンフジオカが妙に出ている話をしたい。なんか長いカタカナの名前を見るなと思ったら、今年公開の映画に4本出るんだな。大人気じゃん。

 というわけでネムルバカ。この監督の作品は地味に初めて見る。特に興味は湧いていなかったから。原作は読んでいる。言ってしまえば堕落的な大学生の日常とシュールコメディ。原作はなんというか、絵面のおかしさを重視してるギャグが多かった気がするけど、映画では控えめ。それは、主人公のひとりが寿司嫌いになった理由が「板前が目の前でケンカして、包丁を突き刺して殺してるところを見たから」から「貝柱を食べたけど口に合わなくて吐きだしたものを、幼馴染の男の子がなにも知らずに食べたから」に変更されているところから伺える。俺はてっきり、あのシーンをするためにこの監督が選ばれたのではないかと思ってすらいたのだが、よく考えてみれば、観たことのない映画監督のイメージで当たるはずもなく。

 特に好きなのは先輩がプロデューサーによって歌わされている曲。有線で流れてくる「爽やかだね」以外の褒め言葉のない、流れてくるから覚えてるぐらいの当たり障りのない曲の味が良かった。本当に

 主題歌も小さな箱を埋める人気インディーズバンドの味がしたから良かったよ。インディーズ時代に「俺たちは金のためにやってるわけじゃない」って歌詞をうたって、メジャーデビューして「俺たち今からメジャーに行くぜ!」って曲を出しそう。で、数年後にインディーズに戻りそう。キュウソネコカミは戻ってない。

ラストの演奏シーンはタイトルコールを含めて決まっていた。『犬人間』とか『最後まで行く』とか、最近タイトルコールの出し方がビシッとしてるのによく当たる。きみに向けて叫ぶんですよ。今俺はお前に向けて言っている。分かるか、お前だ。市場はよく分かんないけど、なにかをつくって吐きだす時には誰に向けているかは意識したいよね。歌って終わりじゃないんですよ。目かっぴらいて言いたい相手を睨みつけましょう。振り向いてもらえなくても、いつか気づいてくれるかもしれないし。じゃ!(失踪する)(あれもしかして疾走とかけてる?)

サメとゾンビと空伏空人

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