『ウィリーズ・ワンダーランド』

 今作のニコラス・ケイジは喋らない。ちいかわぐらいしか喋らない。
 ゲームをやったことがない人間でも、YouTubeでゲーム実況者がよくやっているから名前は見たことがあるかもしれないゲーム『Five Nights at Freddy's』。その実写化か? と思ったけど別にそんなことはない映画『ウィリーズ・ワンダーランド』。

 潰れたピザ屋の見回りをすることになった主人公は、明らかに子供がそんなに喜ばなさそうなキモい機械人形たちに襲われることになる。海外のピザ屋にはそういう人形文化があるのだろうか。

 一応検索してみたら「CHUCK E CHEESE’S」という着ぐるみが子供たちを迎えるピザ屋があるらしく、ゲームの場合はこれが元ネタらしい。映画の方は知らん。

 まあそんなわけでピザ屋の人形たちに殺されそうになるのが本作なのだが、問題は殺されそうになるのがニコラス・ケイジだったということだ。
 ニコラス・ケイジ。よく分からない映画でよく主演をしている。サングラスをつけると強そうだが外すと意外とつぶらな目をしている。よく見ると腹が出てる。
 そんなニコラス・ケイジは殺人人形の生贄にされている自覚もなく、「車のエンジンを直してもらう代わりのお仕事だから、ちゃんとやらないとなあ」と潰れたピザ屋の中を掃除し始め、ちゃんと自分で休憩時間を設定し、置いてあったピンボールゲームで絶頂しながら、殺しに来た人形たちを邪魔なので破壊して脊髄引っこ抜いて外のゴミ箱に捨てていく。

 ニコラス・ケイジが普通に強いので死ぬ用の若者が投入され、人形たちは嬉しそうに「イタチの巣に鶏が来たぞ、六匹の鶏がなあ!」と煽ってくるが、ニコラス・ケイジを含めると七人いるはずなので、明らかに人形たちはニコラス・ケイジから目をそむけている。逃げるな、戦え。

 死ぬ用の若者たちは普通に弱いので、ニコラス・ケイジが休憩時間になりピンボールに乗じている間に殺されていく。普通にワンシーンで皆殺されるのでそんな人数いる必要性はない。ラストガールになる女だけは妙に生命力が高いので、絶対死んだだろ! っていう状況でも三回ぐらい生き延びてくる。さすがに死んであげてほしい。人形が哀れだから。

 つぶらな瞳のニコラス・ケイジのお仕事を邪魔しちゃうと殺されちゃうよ~。つまり邪魔をしなかったら殺されない? わりとそうだった気がします。

サメとゾンビと空伏空人

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