『東京2020オリンピック sideB』
ところでこの映画、オリンピックを映している映画なので当然、天皇も映るわけで。エンドロールに名前が出るのかなとちょっとワクワクしたけれども、でてこなかった。
エンドロールには登場したアスリートの名前も、一瞬だけでもちゃんと明記されている。
これはレインボーシックスシージというゲームをやっている人間にしか伝わらないと思うんだけど、フナティックのリーダーである『mag』という選手(最近日本に引っ越してきた)の弟が飛び込みのオーストラリア代表としてオリンピックにでていて、
弟は彼の最初のオリンピックで男子10m高飛込の8位を収めました!兄としては誇らしい!
— Mag まぐ (@MagnetR6) August 7, 2021
彼の一番のパフォーマンスを見てね! pic.twitter.com/fBigh0bzvU
名前が「カシエル・ルソー」って言うんだけど、飛び込み競技のシーンの時に一瞬映って、なんか見覚えあるな。magの弟だよなこれと思って、パンフレットを調べたらちゃんと名前があった。パンフレット買っててよかったー! 前後編で分けて売るなー!!
つまりエンドロールには映った人の名前が出るやつだと思うんだけど、なんでないんだろうと調べてみたら、憲法第8条でお金を渡す場合は議会の採決が必要らしくて、支払いが発生するのが大変なので、エンドロールに記載がなかったのかなとふと思った。
まあそんなわけでsideBである。sideAとBを観ている人が周りにいません。sideAが選手視点から見たオリンピックとすれば、sideBは選手ではない、誘致した委員会や舞台を用意した人々、選手村で働く人々の視点になっている……はずなんだけど、それがなんだかちぐはぐになっている印象があった。
なんというか、テレビのニュースをある程度選別してそのまま継ぎ接ぎあわせてドキュメンタリーの体をさせているというか。sideAと比べると、話したいことの軸がふわふわとしていて(それは結局、オリンピック自体がやるかやらないかの話をずっとふわふわとしていたからというのもある気はするが)、最後に「未来は子供たちの手の中!」という、ありきたりな締めで終わらせているあたりからも、どうも見切り発車なドキュメンタリーという感じを拭いきれない。見切り発車ドキュメンタリーなんて存在しうるのか? じゃあうまく語れてないドキュメンタリーで……。
どんなことが起きるか分からないなんて冗談を言ってたらコロナ禍になって、オリンピックは延期になって、やるべきかの可否の闘争があって、不祥事やらスキャンダルが続いて……。
そんなニュースがそのまま映画となった感じ。ただし幾つかニュースが抜け落ちていて、なんだかヤな感じではあった。
なんというか、もっとデモの話をするとか、選手村で働く人たちの話をするとか、そういうのをイメージしていたんだけど、デモは映画のBGMに成り果てていて、選手村で働く人たちはそこまで語られない。シェフは出てきたけど、多分もっと、いるんじゃあないかなあ。みたいな。
しかもsideAとBに分けているにも関わらず、普通に選手の話があったので、分けた必要性があまり感じられないところもちょっとある。
「みんなで頑張ってオリンピックを実行しよう!」という運動部メンタルでひたすらに駆け、運動部メンタルが出てくるので、ギラギラとした笑顔を浮かべて、そして達成したオリンピック実行自体にはあんまり興味がなかったのか、「すぐ終わっちゃったね」と10秒ぐらいで終わる。そこはsideAで語ったでしょ? ということだったかもしれないけど、頑張った人を見せたつもりなのなら、できあがりも見たいし、sideAも対してオリンピック本番を映してないので、結局この映画はオリンピックという大きな祭りを外枠だけ塗っているような、そんな映画になってしまっていると思う。
あとすげえ関係ない話だけどカメラが近い。
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