『ゾンビ特急"地獄"行』

 ゾンビ特急”地獄”行き。アマプラの字幕の質はまあまあ悪い。『ゴールド』が『コ゜ールド』になってることから察してほしい。ちなみに『事件』は『里件』になっている。恐らく文字の形が似てるから間違えたのだろう。どうして?

 冷凍保存されていた北京原人の死体を発見した人類学者が本国に持ち帰るべく、満州からモスクワへと向かうシベリア横断列車に乗り込む。その列車の中で目が白く濁り、血を噴きだした死体が発見される。それは、蘇った北京原人の仕業だったのだ!

 本作はジョージ・A・ロメロの『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』以後『ゾンビ』以前のゾンビ映画である。映画によって生まれたゾンビの概念が存在しはしたものの、世界中に広まっていたわけではない。ぐらいの時代なので、死体が動きだす。程度しかゾンビ要素はない。そもそも原題は『horror express』であることから、ゾンビ映画としてつくられていない可能性だってある。日本で発売するときに「死体が動いているからゾンビじゃん!」ってことでこういう邦題になったと考えるのが妥当だろう。

 動きだした北京原人は暗いところで目が赤く光り、その光を見ると体の内側から沸騰して死ぬ。そして脳みそから記憶を奪い取る。だから死体は目が濁って血が噴きだし、脳みそからシワが無くなる。当時は記憶は脳のシワに刻まれる。とされていたからつるっつるになるのだろう。(ちなみに検死された死体の脳みそを北京原人はたまに確認しにやってくる。ぱかって脳を頭蓋骨を開ける。かわいいね)。

 記憶を奪い取り(その証拠に北京原人の血には記憶が転写されている。恐竜の姿とかが見えるよ。不思議だね)、人間の中に紛れ込む北京原人。やつの正体は一体なんなのか。残り20分ぐらいで現れるハゲのロシア人の妙なキャラの濃さと頑丈さはなんだったのか。話の概要はめちゃくちゃ胡乱なわりには地盤はわりとしっかりしている、良い胡乱映画だったね。

 個人的にはラスプーチン似のおじさんのキャスティングはラストの展開に説得力を見せるためだったのだろう。と思えるかなり良キャスティング。ちなみに主人公組はスターウォーズにも出演しているらしいクリストファー・リーとピーター・カッシングだよ。なんで。

 アリスの2巻をだすことがあったら章タイトルに採用します。そんな映画。変態村も使いたいんです。お願いします。

サメとゾンビと空伏空人

ライトノベル作家、空伏空人の個人サイトです。お仕事依頼など受け付けてます

0コメント

  • 1000 / 1000