エスケイプ・フロム・トゥモロー

 そういえば映画を観たあとのブログ記事を最近書いてなかったなと思って再開するかと書いたのがこれなんだけど、よくよく考えてみると、この映画で良かったのかな。と思わないでもない。

 ポスターを見れば分かると思うんだけど、ディズニーランドを舞台にした映画だ。ディズニーランドで勝手に撮影したらしい。勝手に撮影したので、「ここら辺は勝手に撮影してるのがばれるからできないんだろうな」と言ったところが背景合成になっている。例えばジェットコースターで酔った子供がゴミ箱に吐くところとか。

 さて内容としてはタイトルが『エスケイプ・フロム・トゥモロー』、つまり明日からの逃避。ということから分かる通り、現実逃避の話である。家族で一緒にディズニーランドに行くぞ! という当日にリストラ宣告されたお父さんが夢の国であるディズニーランドでひたすら現実逃避をし続ける話なんだけど、お父さんは大人なので夢の国のかわいくてキュートな夢には興味なくて女体ばっか妄想している。女にもてて、おっぱいばっか見ている。悲しい大人だね。そりゃ息子も「うわ、ばっち」みたいな顔で扉を閉めるよ。こんな大人になりたくないなぁ……。みたいな顔をするよ。

 この映画は基本的に「ディズニー=現実逃避」と捉えていて、だからこそ、ランドの中で起きた事件事故は速やかに片付けられるし、ほこり一つなく掃除されているし、映画はいつだってハッピーエンドで終わる。ディズニーってやつはこんなにも綺麗好きで現実逃避的なんだぜ! ジェットコースターで死亡事故が起きてもすぐ隠蔽してなにごともなかったようにな! みたいな、そんな映画なんだけど、いかんせん内容が『ディズニーランドの都市伝説』に過ぎないというか。ほら、あるじゃん。『ディズニーランドでは秘密裏に臓器売買が行われている』とか『閉園後のディズニーランドに残っているとどこかに攫われる』とか『ディズニーランドには秘密の地下施設がある』とかなんとか。ああいうやつ。綺麗で楽しい遊園地だからこそ、人はそこに裏があると思うんだろうけれども、あくまでもそういう話でしかないかな。というのが印象だ。皮肉にしようにも、そもそも話がまとまっていないので、皮肉よりも「?」が先に出てしまうところもあるしね。

 ディズニーランドで無許可で撮影しました! という話題性で生きてるのに、ディズニーランドにつば吐いているの、実家のお母さんの味噌汁にケチつける息子みたいな感じで嫌いじゃないよ。

サメとゾンビと空伏空人

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