映画『トワイライト ささらさや』

 新垣結衣、結婚おめでとう。ということで、そういえば新垣結衣が出ていた映画をさっぱり観ていないなと思ったので観た。ドラマだったら『リーガルハイ』を観ていたらしいけれども、どうにもこうにも、『リーガルハイ』で新垣結衣を観たという気持ちになった覚えがないのである。まあ、この映画でも新垣結衣のことは殆ど記憶に残っていなかったのだけれども……。

 新垣結衣と結婚した大泉洋が車に轢かれて死んでしまったので、赤ん坊を育てるために不思議な街、”ささら”に住むことになる。そこではたまに大泉洋が色んな人に乗り移って声をかけてくるようになる。まあ別に“ささら”に住んでいなくても大泉洋は普通に乗り移ってくるので、『ここは大切な人に会える場所』というのは、詐称であると言える。”ささら”で会えるのはどちらかと言うと、人の家のものを盗む引っ越し業者とか、勝手に人の家にあがりこんで別に話に関わることのないつるの剛士とか、寺田心とか、足をばんばん叩きながらめっちゃ笑顔で話しかけてくる危ない人とか、電車で赤ん坊が泣いたらガチでキレる競馬新聞片手に持ったおっさんとか、赤ん坊を普通に誘拐するお爺ちゃんである。非常に治安が悪い。悪すぎる。

 物語自体は邦画にありがちな感動系なんだけれども、一回感動用のBGMが流れたあとにもう一回感動用のBGMが流れてきたあとに、それはそれとして、と大泉洋とお父さんの不和の原因が語られて終わる。新垣結衣の物語ではなく、大泉洋と不器用なお父さんの物語だったのである。新垣結衣の存在価値が小さい。新垣結衣の声ぐらい小さい。そんな映画。

サメとゾンビと空伏空人

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