ホーリー・トイレット

 ワンシチュエーションスリラー、あるいはソリッド・シチュエーションスリラーの傑作と言えば、『ソウ』が挙げられるとは思うが、あれは意外と回想とかで外に出ている。しかしこのホーリー・トイレットは本当にトイレから出ない。出なさすぎて他のキャラが出る時はわざわざトイレの中を覗きこんでくるぐらいである。ところで原題が『Ach du Scheisse!/Holy Shit!』でどちらも「なんてことだ!」「クソが!」という意味なんだけど、それをホーリー・トイレット、つまり聖なるトイレと訳すのはさすがに意味合いが違うんじゃねえの? ダメ改題のひとつとしてちゃんと話をするべきだと思う。でもあいつらアルバトロス観ないよな……。

 目を覚ましたら転倒しているトイレの中。腕には鉄筋が突き刺さっていて動けない。外からは爆破のアナウンス! はやく脱出しないと吹っ飛んでしまうぜ! という作品。ちなみにトイレは異常に固いので「じゃあ脱出しない方が安全じゃね?」という気もする。

 1時間半の映画にも関わらず、結構尺が余っている。チャージマン研ぐらいには余ってる。脱出出来そうな主人公を、トイレ以外の舞台を用意してないからかとにかく押さえつけて、助けにきたキャラは漫才を少ししてから死んでいく。それを三回ぐらい繰り返す。まるで呪術廻戦のラストみたいである。あれ本当に『駄』だと思うんだけど、あれでいいやって思ってるのかな。最新話の話をするならチャレンジ→死! の連続はなくて良かったんじゃねえかな。覚えてないでしょ。あの電気の奴とか。愛を教えるって話をしてたとか。愛は教えましたか。実は強いとされた奴のことを覚えてますか。弁護士のことも。あれは本当に酷いから早く終わらないかなって思ってたらあと5週で終わるらしいです。『ホーリー・トイレット』もラストぐだぐだしてたのに終わり方はスパっとしてたんですよね。終わり方は決めてたんだろうな。だから尺余りだな…って思ってしまうのですが。スパッとした終わり方は良かったです。デス・プルーフ in グラインドハウスのハイタッチぐらい。

サメとゾンビと空伏空人

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