『君たちはどう生きるか』

 飴村行の『ジムグリ』を思いだしたんだけど、これの話をしても多分誰も分かってくれない気がするから一旦隅に置いておくよ。ダララ ララララ 古びた想い(ジムグリ、P288)

 今から俺は説教されるのかなぁ。となりがちなタイトル。そもそもメガネの方を読んだことがないし、そのメガネの方にもどうやら原作があるらしいとふんわりとした真偽不確かな情報もあるので、そういうところで怒られるのかもしれない。でもジブリの映画を観るとき、大体原作を読んでもいないのでいつものことだし許してくれるかもしれない。実際のところは大して叱ってはきません。ジブリを見せてくれます。

 ジブリに対して「ああ、ジブリだなあ」と感じるシーンがあるとすれば、それは動きだすときの加速で体がぐねってるところとか、物を押し込むときの飲み込み感とか、液体がドロドロとかまあそんな感じなんだけど、本作において「ああ、ジブリだなあ」となったのはどちらかと言えばそういうシーンがあったというよりは、今まで見てきたジブリがそこにあった。というのが正しい気がする。だから、君たちはどう生きるかはジブリのパッチワークみたいな様相があって、シーンのツギハギがちょっと奇妙で、人によっては実際の時間よりも体感時間が長いタイプの映画になるかもしれない。俺は最後の方で調整されたから2時間30分ぐらいな感覚で見れた。長いじゃん。最後本当に勢いで進んでいったのでそこの速度はすごかった。最近なんかこう、制作者のエゴとか原液をそのまま提供する作品が増えてきたような気もしないでもないけど(それゆえに創作者からの『行動』への評価が高まったりしているわけですが)、その中ではドバドバ来ない方の映画だった気がする。これは個人の意見です。あんま使わない表現だけど。でもなんかこういうやつって本当に個人のドバドバじゃあないですか。ある種広告を使わなかったのは正解だったかもしれないね。皆個人で向き合えるからさ。

 どうでもいいけど君生きバードのポスター、こんなシーンあったか? というぐらい格好つけてる。最初はトトロの歯が生えたヤギみたく恐いの象徴で中盤はもののけ姫のジコ坊みたいでしたね。俺の心が「これが美少女だったら多分ラノベなんだろうなぁ~」とか考えてたんですけど、それ以上は考えないことにします。若かりし母親ヒロインと獣ヒロイン、どっちがいけそう?

 あと米津玄師は「解釈が上手」みたいなそんな評価を最近よく見るし、それはちょっと前までは星野源だったわけだけれども、こういう作品だからこそ、解釈をする人間を選ぶよりは、自己解釈で人間選んだ方がいいんじゃない? って思わないでもない。それだけの話です。いや、上映前CMでクレヨンしんちゃんとサンボマスターの組み合わせを見てしまったせいもあるかもしれないけど。この感覚。

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