『ランペイジ 巨獣大乱闘』
でっかくなっちゃった動物たちが大乱闘する映画かと思えば実はそんなに乱闘してない。世界中で発生したでっかくなっちゃった動物たちを相手に、白いゴリラとドウェインジョンソンが八面六臂の大活躍! ってシナリオじゃあダメだったんですかね? 予算の都合上? じゃあしょうがないか……。海外の予算がないわけではないけどあるわけでもない映画ってあるじゃないですか。でっけえビジュアルを色々用意はしてるけど意外と人間シーンの方が多いみたいな。まあそういう類の映画です。地球防衛軍の方が色んなデカい動物が暴れまわってる。
悪の会社がつくりだした改造細胞により巨大化し様々な動物の能力を手に入れたゴリラ、狼、ワニが暴れまわる本作。言うなれば人を食べる方の『でっかくなっちゃった赤い子犬 僕はクリフォード』である。クリフォードに出てくる悪の会社も細胞改造してたので大体一緒である。なんで子供向け絵本原作映画に出てくるんだよ。
ドウェインジョンソンと心が通じ合っているゴリラ(作中では手話によって会話をしているという体になっているが、普通に話していると思う。賢いゴリラだ)も悪の会社の事故にでっかくなってしまった。そして普通に暴走してしまい、三体の化物動物たちが暴れまわる。色んな動物の特徴がミックスされたキメラ生物になっているらしいのだが、そこら辺はあんまり活用されていない。たまに思いだしたように使う。あとゴリラはキメラにならない。なんで? いや知らんけど……
まあ正直に言うとシナリオは良くない。
いやね、こういう映画にシナリオ性を求めている方が悪いのは分かる。
序盤にでてきたキャラは二度と出番がないし、会いに行ってる犬は一度も画面に映らないし、ドウェインジョンソンの消されている経歴が開示されることはない。でも別にいいじゃんってなるのは分かるんだけど、でもなんていうかその、『小さき勇者たち〜ガメラ〜』で赤い石をトトにあげるために一ツ木義光に石を持たせてトトの口の中に突き落とすとかしなかったじゃあないですか。でもこの映画普通にするし、その上で俺たちは友達だぜ! って面するんですよ。もうムリだと思うんですよ。普通に暴走してるところも含めて。もっとこう、友達を大事にしませんか?
ドウェインジョンソンとゴリラの間にはそんな友情はないのかもしれない。そういう話を見たいならガメラ見ませんか? 俺あの映画のジーダスが人を食うシーンがめちゃくちゃ恐かった記憶があるんですよね。ほら、あの友達が食われかけた時のあれ。思いのほかちゃんと咀嚼して食べるじゃないですかあれ。ちゃんと食ってたね。この映画のゴリラもちゃんと食べる。ラストシーンで人に手を差し伸べているがもう間に合わないと思う。
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