『事故物件 恐い間取り』

　事故物件、住んでみた。ちなみにわざと忌み家を建てて住んでみる小説があります。なんでもありか。

　テレビのコーナーでいわゆる「いわくつきの部屋」に住むことになってしまった売れない芸人の連作実話怪談。ちなみに一番最初の幽霊はエレベーターから来るので間取りは特に関係ない。関係ないの……？

　売れない芸人こと亀梨和也と、亀梨のギャグで笑ってくれる珍しいサブカル女（霊感がある）がいわくつきの部屋で様々な心霊現象と出くわしたあと、「この家では一体なにが起きていたのか？」を説明される構成になっている。

　この映画で一番怖いパートはどこかと言われたら「一体なにが起きたのか？」の説明パートだと思う。なにせ人間怖い系の実話怪談に出てくるような暴力殺人者がもりもり出てくるからである。個人的おすすめは老いた母親をぼっこぼこに殴り、風呂の壁に叩きつけて溺死させた男です。楽しいね

　本作の事故物件はかなり物理的な攻撃をしてくる。霊障しないとな～とイタズラ電話も一応かけてくるんだけど、そんなことよりも頭掴んで水の中に突っ込んだ方が早いんですよと言わんばかりに鏡から腕が生えてきて襲いかかってくる。

　ITのピエロだって物理攻撃してくるでしょ、ソロモンの魔方陣が刻まれていたから電柱に顔面をぶつけて死んだと言われても困るんですよ、殴ってくれた方がわかりやすくていいんですよ。そんな気持ちにさせてくれますね。

 　そんな物理攻撃を繰り広げてくる事故物件をいくつかハシゴしていく主人公を、事故物件の主みたいなやつが追いつめていく……というのが本作の筋である。事故物件の主ってなに言ってんのかよく分かんないと思うんですけど、事故物件の主としかいいようがないローブ姿の男が出てくるんですよ。しょうがないじゃあないですか

　暗い場所が恐いな。と思わせてくれるようなカメラアングルと、そんなものは特に関係がない生身の人間（幽霊）があちらこちらから湧いてくる。だけど幽霊だから高田純次からもらったお守りで爆散してしまうんですね。かわいそう

　ところでこの映画の主人公がお笑い芸人だからなのか、今作にはたくさんのお笑い芸人たちが登場してくれます。安田大サーカスのHIRO以外全員出てきます。HIRO…。