『大怪獣のあとしまつ』

 うんこかゲロかで言えば銀杏の臭いがすると言い張るけどどう考えてもうんことゲロが混ざった臭いがするぞおえっ。な腐乱した大怪獣の死体をどうしたもんかいな珍道中コメディ。

 ちなみに大怪獣はどうして死体になったかと言うと、空から降ってきた謎の光に包まれて死んだそうだよ。一体何者なんだろうね、謎の光。分からないなあ

 現実と怪獣という虚構の組み合わせと言えば『シン・ゴジラ』が有名だけれども、本作は『シン・ゴジラ』とは違い、別にそんな優秀でもなんでもない政治家たちが描かれている。


 みんな怪獣に対する「1番」を手に入れることで自分の地位向上を企んでいるけれども、怪獣に対する責任は取りたくない。誰がやるんだよ、怪獣のあとしまつ。河川に落ちてるんだからそちらでは。いやうちは二級河川までで一級はそちら。そもそも怪獣って燃えるゴミなのでは? 銃器が聞かなかったんだから燃えないゴミでしょ。なる押し付け合いが発生する。さらにはアメリカも韓国も尻尾が欲しいわ、あの怪獣はうちの領海から現れたんだから死体はこっちのもんでは? なんて言い出してくる始末。


 とりあえず観光資源にしません? って方向になり、名前を決めるかと会議を開いて「希望」という名前をつける。さすがにつけねえよ! そんなことしてる間にもどんどん死体は腐ってガスが体内に蓄積されてめちゃくちゃ臭くなる。その臭いをどうにかするために、ダムを決壊させて水で洗い流すなんて荒技をすることに!

 まあなんというか、短編ならかなり好きになっただろうな。というナンセンスドタバタコメディだった。オチも含め、映画という長編だからこそちゃんと始末のできたオチを求めてしまうが、この映画にはそんなものはない。かなり投げっぱだ。そこがかなり残念なような気もするし、しかしこんなドタバタコメディなんだから暴投したボールを眺めて「おー、飛んでった飛んでった」とケラケラ笑いたい気持ちもある。正直、悪かぁねえな。と俺は思っている。笑ったシーンも多いしね。きみはどこが好きだった? 俺はゴジラのおなら。


 インターネットのオタクが叩きやすいように不倫とキスと役立たずと下ネタをあちらこちらに配置しているのは、なんかもう、もはやわざとなんじゃね? という気持ちにすらなってくる。俺は「それはキノコではありません」と指さされる不自然な黒塗り(股間)は大好きです。こんな不自然な黒塗りが存在する映画ですよ、あなたなんだと思いました?

 しかしどうもキスシーンは本当に多く、あと青黒い部屋も多く、「ここまで来たらギャグだな」「狙ってる? 狙ってる気がするなこれ……」という気持ちになってきたので、確かめるべくパンフレットを買った。1000円した。ちっくしょう!!


 ちなみになんですが、この映画はエンドロール後もあるのでエンドロール明けもしっかり見ましょうね。そこが1番面白くなかったかもしれない

サメとゾンビと空伏空人

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