『ミラベルと魔法だらけの家』
家族の紹介をしよう(本編も最初は家族の紹介から始まります)。
家族が家の壁で頭を打ったら、家族の心配よりも先に敷金を気にするタイプのおばあちゃん、アルマ!
あなたが最高で大好きよ。と慰めにくるけど、家族全員集めての集合写真に娘が混ざっていないことにまるで気にすることなく笑顔を浮かべるお母さん、フリエッタ
無能力で母親の治療系能力を披露するために定期的に蜂に刺されるお父さん、アグスティン
ありのままにみたいな曲を歌いながら、ツタとぶどうとヤシの木に対するヘイトを高らかに歌った、エルザとアリエッティのハーフみたいな女、長女イサベラ
やろうと思えばダイヤモンドだって砕ける、彼女を救うのは家族の愛ではなく刃牙世界の俺の方が強いんだ星人との出会いな気がする女、次女ルイーサ
天気を操ることができるが、作中それを用いてやったことは感情表現ぐらい、おばのペパ
その夫で無能力者、フェリックス
ハーレムものでメインヒロインじゃないからフラれて負けた女にあてがうために存在する男みたいなポジションの女、いとこのドロレル
姿を変えることができるのでミュージカルシーンの賑やかし役として多用されたが、別に話には特に関わらないし、なんならいらない男、いとこのカミロ
能力を手に入れる前は主人公にべったりひっついていたけど、能力を手に入れたら急に疎遠になった広い部屋を提供するための存在、いとこのアントニオ
未来視ができるから周りから煙たがれていたけれども、なんか皆急に自分のことを抱きしめてくれるようになってマジで困惑してそう、おじさんブルーノ
そして、『家族唯一の無能力者!』という立ち位置だけど、正確に言うなら無能力者は他にも二人いるので、その二人が家族として認められていないのかもしれない。そんな排他的感情が垣間見えるただのクソダサメガネ、主人公のミラベル!
ちゃんと真正面から見たら本当にダサかったので、『メガネ=ダサいオタク』みたいな偏見やめてください運動が起きてしまうのも仕方ないかもしれない。だってダサいもん。
序盤はそんなクソダサメガネを曇らせることに全力を注いでいく。家族は無能力者のクソダサメガネのことを、能力を持ってないただの一般人は邪魔だから退いてて欲しいと陰ながら願っていることが言葉の節々から感じ取れ、なんならおばあちゃんは「お前は失敗したんだから黙ってろ」という立場を崩さない。でもみんなで家族写真を撮っているときは、無能力者のお父さんとおじさんはちゃんと混ざっていたので、クソダサメガネが家族から退いててほしいと願われているのは、無能力だからじゃないのかもしれない。ちなみに近所のガキからは「ミザベルの奇跡は現実逃避かもね」と煽られる。全員煽るじゃん。
そんな家族たちの魔法がもしかしたら使えなくなってしまうかもしれない。という事実に気づいたクソダサメガネは「アナと雪の女王」を忘れることができないのかもしれない歌詞と演出で歌いながら、家族の魔法を救うべく奮闘する。
オチとしてはよくある「完璧じゃなくてもいいじゃない」みたいなそういうやつで(ちなみにその表明のときにも家族はクソダサメガネを煽ってくる。天性の煽り性能がある)、別段特別性のないいつものディズニーミュージカル映画だけれども、今回の音楽はかなり好みだったので、映画館の音響で一度聞いてみるのもいいかもしれない。みんなで魔法の扉を開けなくて魔法を手に入れられなかった子に、魔法の扉のドアノブをあげよう!
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