映画『AWAKE』

 電王戦という将棋の大会があったことは、多分将棋やら人工知能やらに興味がある、あるいは、ニコニコ動画を見ていた人間ならば覚えているのではなかろうか。対コンピューター将棋の将棋をうった――半ばバグ技を行使したあの大会である。その時のプログラムの名前が『AWAKE』。つまり、あの時の出来事を基とした映画である。基とした、なので決してノンフィクションではなく、登場人物や事件や出来事などは基本的にオリジナルストーリーで、史実と同じなのは、ラストの電王戦だけである。

 観ておいてなんだが、俺は将棋も人工知能もプログラムもちんぷんかんぷんで、ある感情とすればプログラムにある『!』とか『;』とかでビックリしてて可愛いな。とかそう思うぐらいの知能である。もちろんプログラムはビックリなんかしてなくて、人工知能に感情が芽生えるというのは、人間が勝手に「それはつまり感情だよ」と言いだすから感情とされるんだろうな。人間とはなんて横柄なんだ。という話になるんだけど(なるか?)。

 まあ、そんなことを抜きにして楽しめるのは『天盆』で証明済みなので特に問題はない。プロ棋士になる夢敗れた男が、コンピューター将棋と出会い、再び『将棋の世界』に立つ。勝負に勝ちたい。負けたくない。その思いがぶつかり合うことで、電王戦で起きた『二一手』に新しい解釈を与えていて、すごく満足のいく映画だった。オススメ。

サメとゾンビと空伏空人

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