映画『ホムンクルス』

 カルト的人気を誇る問題作の映画化。らしい。

 トパレーションというか、穿頭というか、そういう話は『さあ、地獄へ堕ちよう』で見かけていた。頭に穴を空けて脳みその圧を解消することにより気分爽快になれるという、「頭痛がしたから頭を割ったら解消した」ぐらいの力任せの治療法である。原始的!

 監督は『清水崇』。最近観た映画だと『実写版 魔女の宅急便』の監督である。いよいよ異質じみてきたな。魔女の宅急便。というか、ブログに映画の感想を書くようになってから、初めての同一監督の作品になっているのではなかろうか。

 さて、カルト的人気を誇る問題作ということで、そういう煽りを抱えている映画はだいたい微妙か変なことを変なことをしたままに終わってしまうような映画が多いような印象が多いものだと身構えながら観てみたら、ジャンプ漫画で言えば『SOUL CATCHER(S)』みたいな、そんな印象を得た。カルト的人気を誇る漫画。つまりジャンプの最後尾の方にちょくちょくいるけどなかなか打ち切りにはならないで結構感想も多い漫画である。

 穿頭をしたことにより、左目を閉じると人が奇妙な姿に見えるようになってしまった主人公。それは例えばブリキのロボットだったり、砂人間だったり、体が真っ二つになって左手と右手が手を繋いで歩いている状態だったり、頭の上から電球が生えていたり、全身がコンセントになっていたり。

 その姿は『トラウマの視覚化』であることが判明し、主人公は彼らと対話をし、抱えているトラウマが一体なんなのか。その解決策を探っていく。という、ある種セラピストみたいなことをしてまわる映画で、帯に「あなたの心、癒やします……」とか書かれたトラウマ調査系ライト文芸みたいな趣をしていて、「お前。その面してほっこり系なの!?」って結構ビックリした。穿頭したのに! ほっこり系!

 まあ、トラウマを解決した結果。ヤクザのおっちゃんは小指を詰めたりしてましたが。ほっこり(小指)。そんな風に、なんつうか。思ってたのとなんか、不良が捨て犬を拾っているところを目撃してしまったときみたいな。「あ、お前そういう奴だったのね」という感情を味わえる映画。結構面白い。ネトフリ独占

サメとゾンビと空伏空人

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